とあるツイ廃のブログ

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夜行バスの魅力と船の魅力

船旅はもちろん大好きですが、そもそも高速バス出身ということもあるので高速バスの魅力と嫌いなところ、船の魅力と嫌いなところをそれぞれ考察します。

まず高速バスに関して確認しておきましょう。高速バスというのは高速道路に乗り、大都市間を輸送する点において路線バスとは異なる(高速バスに乗る路線バスもないことはないが、こちらは明らかに都市内輸送か中小都市圏輸送である)という定義がされると思います。関東では例えば、東京から水戸やつくばに向かう高速バスは極めて本数が多く、常磐線つくばエクスプレスと激しく競合していることはよく知られています。また、夜行バスに関しては東横・京阪間の高速バスは極めて本数が多くあり、こちらは新幹線や航空機と競合しています。いずれも競合相手よりも圧倒的に価格が安いというのが特徴で、例えば東横・京阪間の高速バスでは、最安値が¥1500ということで、東京駅から宇都宮あたりまで行くよりも安い、距離対値段の考え方を破壊するような価格で運行されています。(参考までに、東京大阪間は航空機は最安値のLCCが¥5000程度、新幹線は¥15000程度です)

さて、このような高速バスの魅力は何でしょうか?

その答えの一つは値段です。値段の変動は毎日あります(例えば金曜土曜は高いが水曜は安いとか)が、それでも圧倒的に高速バスは安いのです。また、時間に関しても鉄道に勝る場合が多々あります。例えば新幹線が通っていない在来線のみの区間で、あきらかに鉄道の乗り継ぎと待ち時間が多いということは往々にしてあり、その場合高速バスの方が早いというのは、地方においては特によくあります。先日乗った大阪ー徳島の高速バスなんかはそのような例です。

ところで、例えば私のような、旅行先を1カ所に限定しない周遊旅行をよくする人はもう一つ利点があり、それがまさに夜行高速バスを「宿代わり」にするというものです。つまり、長距離の移動と宿泊が同時にできる点で、移動にかかる余計な時間を削減できるのです。さらにいうと、0泊3日の弾丸旅行も可能です。例えば金曜夜に東京を出て、土曜に大阪に着きその日の夜に大阪を出て日曜朝に東京に着くという形で、週末だけで無駄なく旅行ができるという点は非常に魅力的だと思います。新幹線や飛行機にはできない芸当で、これらを使うと別に宿泊代が掛かってしまうのです。

しかし、無論これらが意味することは「疲れる」ということであるのはいうまでもありません。とにかく疲れるのです。並大抵の体力ではできないのが唯一の問題点と言えるかもしれません。しかし実はこれには対策があり、それは「疲れない席を使う」というものです。そんな席あるかいと思われるかもしれませんが、例えば3列独立席や2列席なるものなどのように、一人が使える空間を広くとった座席はあります。割と良く寝ることができるので多少は疲れにくいです。この場合1つ目の利点を犠牲にする代わりに2つ目を大きく活かすことができます。

こうはいってもここ最近高速バスをただ単純に0泊3日で使うことはなんとなく減っている気がしますが、これはただ単純に長期休暇における旅行先での時間を増やそうという考え方を取っているからで、単純に三連休くらいだったらこれからも0泊3日の旅は間違いなくすると思います。

ところでもう一つ、高速バスでの2つ目の利点を生かせる交通機関があり、それが船(長距離フェリー)です。最近ハマっているわけですが、あの酔いも引き起こすかもしれないが慣れてくると心地良ささえ感じるような揺れが頗るよいのです。

それは兎も角として、船の魅力というのは何でしょうか?

その答えはまさに環境にあると言えましょう。船の環境は海の上のホテルとは良く言ったもので、実際そうなのです。しかし、私にとっては住環境や揺れもさることながら、我々陸上生物にとってはいわば非日常の、あの海の上を走るというその毎度毎度新鮮な体験の虜になったのです。5日連続で船に乗っても全く飽きることがなかったあたりまさにそうなんだろうなぁと思うところです。その環境こそ、日程を1日分旅行に有効に使えるというのは、実は関西ー九州のフェリーだけで、北海道ー本州のフェリーはいずれも午後着なので割とできることが限られてしまうという事実を上回ってさえも魅力的であると言えます。

しかし、では悪いところはというと実はその環境に引き換え時間と金がかかりがちということなのです。時間はなんとか時間潰し、それ以前にフェリーに乗るような人は時間が有り余っているから乗っているにほとんど違いないので別に問題ないわけですが、本当に金がかかるのです。少し前までは各航路で最安値だったものが、LCCの発達で実は必ずしもそうとは言えない状況にあるという割と厳しい現状があります。しかし、実はそれだからこそ船が環境を良くしてきたとも言えるわけで、近年の新造船ブームなんかはまさにその流れの中にあると言えると思います。つまり、金の代わりに環境でLCCに勝負しようというわけで、果たしてこれがどう出ているかはまだ何とも言えませんが、フェリー会社側も追って対抗しているのです。客からしてみれば実に良いことです。

ところで、悪いところでもう一つ、私なんかは慣れてしまったのでなんとも思いませんが、船酔いというのはまた大きな問題です。私なんかはバスは大丈夫なのに自家用車は本当に酔うので、できるだけ狭い車には乗りたくないのですが、これと同じことは鉄道や車、そして最も起こりうるのが船なのです。船側もシーシック(船酔い)対策でそれ専用の流しを用意してあったり、揺れ防止の機構を整備したりと対策は重ねているものの、それでも我々陸上生物は揺れない大地の上で生活している以上、どうしても波の揺れには慣れないものなのです。これはどうしても残ってしまう悪い点ですが、酔い止めなどを飲めばいいということしかできないのは致し方ないことだと思います。

ぶっちゃけ「嫌いなところ」といっても嫌いだったらそもそも使わないわけで、使わないならこんな記事を書くわけないのです。したがってどちらもそれぞれに魅力があるからこそ使い分け、旅行の計画や道中も楽しんでいくというのが旅行の楽しみだと思います。